ケニアで生活していて困ることのひとつは美容院。
ケニア人の女性たちは、みんなふわふわ、ちりちりとした、かなりきつい天然パーマで、
彼女たちは髪を編んだり、ウィッグをかぶったり、アフロだったり、薬剤を使ってストレートにしていたり…。
なので日本の女性のように、「髪を切る」ことをしません。
だから髪を切ってくれる美容院は少ない。
ローカルなお店に行くと、ただざくざく切られちゃう。
以前、毛先がきっちり揃ったおかっぱにされてしまったことがありました。
なので、白人が経営しているサロンに行っていました。
日本人の美容師さんが自宅で切ってくれるらしいのですが、
私はまだお世話になったことがありません。
今までいくつかのサロンを試して
(パーマをかけたらアフロみたいに細かくて、パーマをかけたすぐ後にストレートパーマをかけてもらうとか、失敗を経て…)、
その中で1番よかったのはナクマットジャンクションの中にあるサロン。
白人が経営しているサロンはいくつかあるけど、白人オーナーが実際に切ってくれるわけではないサロンが多い中、ここはロシア人の女性が切ってくれます。
いつも「ねぇ、髪を赤く染めなよ。」と言われます。(挑戦する予定はありません)
でもちょっと値段が高いのと、営業時間が早く終わってしまい仕事終わりには間に合わないため、
別のサロンを探していました。
髪が綺麗なインド系の方たちにどこのサロンに行っているのか聞いたら、聞いた3人がなんと同じサロンを教えてくれて、少し前からそこに通っています。
ジェネラルマテンゲにある、インド系オーナーのサロン。
いつ行ってもお客さんがたくさんいます。
お客さんはインド系ばかり。
ケニア人のお客さんはネイルをやっている人しか見たことがありません。
カットは1500Ksh(円)、他の白人経営のサロンよりも少し安い料金です。
先月はじめ、あまりに髪がうねうねするのでインド系オーナーに相談したところ、
「リラクサー」を勧められました。
ストレートパーマじゃないけど、トリートメントをした後みたいに、髪がまとまる感じが3ヶ月くらい続く、とのこと。
料金は5000Ksh。
早速試したところ、天然パーマでいつもうねうねしている私の髪が予想以上にストレートになり、しっとりサラサラでとってもいい感じになりました。
そこからまだ1ヶ月半くらいしか経ってないけど、最近のナイロビの雨と私の伸びかけの髪がまたうねうねしてきたので、先日もう一度リラクサーをしてきました。
薬剤をトリートメントみたいに髪につけて、時間をおいて洗い流すだけ。
パーマのときみたいに、温めることもしません。
薬剤はイタリア製みたいです。なんか、イタリアって聞くと安心してしまいます。綺麗になれそうな錯覚まで起こしてしまう感じ。
薬剤を塗ってもらって「しばらく時間をおきます」と言われてから、
頭がひりひりしてきました。
でも私は肌が弱いので、日本でカラーやパーマをしてもひりひりすることがあり、
しばらくは我慢していました。
お洒落には我慢が必要だって言うし、と自分に言い聞かせました。
が、10分くらい経った頃、もう本当にひりひりしてきました。
ひりひり! というか、痛い! というか、焼ける―――!!
という感じ。
体に変に力が入り、椅子をつかんでしまうほど。
担当の人が見つからなかったので呼んでもらい、彼が来るまでの時間で、
どんどん増す痛み。
やっと担当の人が来て、頭皮が痛いことを伝えると、
「痛いー?大丈夫ー?」と言いながら髪をとかし始めました。
これがさらに痛い。くしが頭に触れるだけで、もう全然無理。
「全然大丈夫じゃない。もう流してーーー」
と言い、流してもらいました。
アシスタントの女の子に「お湯は使わないように。水で流して」とこっそり言っているのが聞こえてしまいました。
お湯だとさらに痛いからかな?と思ったけど、水でも痛い。
流してくれる時に頭皮に手が触れただけで痛い。
ていうか、シャワーからの水圧がかかった水が当たっただけでも痛い。
もう自分の頭ではないような感覚。
薬剤を流し、シャンプーをつけて洗って流し、トリートメントをつけて洗って流し…
この時もずっと痛くて、変に力が入るので両手を組んでいました。
今まで、お腹が痛いとか、頭(の中)が痛いとか、そういうことは何回も経験しているけど、
こんなに頭皮が痛いのは初めてだったので、我慢の仕方もわからず本当に痛かったです。
最後、スカルプマッサージをしてくれたんだけど、もう本当に触れてほしくなかったので断りました。
いつもは本当に気持ちいいのに。
シャンプー台から鏡の前に戻り、「もう大丈夫?」と聞かれました。
が、まだ全然大丈夫じゃなかったので、
「まだ痛い。本当に痛くて焼けそう。痛み止めが欲しいくらい痛い」
と言ったところ、
なんと痛み止めをくれました笑。
正直、そこまでではない気もしたけど、せっかくくれたので痛み止めを飲みました。
初めて服用したPanadol、まさか頭皮が痛くて服用することになるなんて。
その後、適当にブローして毛先だけ切ってもらってサロンを出ました。
「私の頭皮が弱いせいなのかな?前は大丈夫だったのに何でだろ?」って聞いたら、
「あなただけじゃなくて、時々痛がる人がいるのよ。あと、前より強い薬剤使ったから〜」と言われました。
先に聞いてくれれば、前と同じでいいって言ったのに!
でも3ヶ月効くはずが1ヶ月半で私が戻ってきたから、気を利かせて強いのを使ってくれたのかな。
家に帰る途中頭を触ると、至る所にすでにかさぶたができていました。
おでこの生え際も赤く、ただれてしまっています。
家に帰ってきてから、この「リラクサー(Relaxer)」を調べたところ、日本語では全然検索にひっかからず、英語で調べてみると、怖い記事がどんどん出てきました。
全然「Relax」じゃない感じのものばかり。
リラクサーに缶を浸けておくと、缶さえも溶かしてしまうほど強い薬剤なんだとか。
しかも、記事のほとんどが「黒人女性の髪をストレートにする」薬剤として紹介されていました。
いくら私の髪がうねうねだからって、黒人女性ほどではないから、頭皮だけじゃなくて私の髪にとってもかなりの刺激だったはず。
黒人女性のための薬剤なら、日本語検索では引っかからないのもうなずけます。
頭皮がやけどのようになってしまい、何年も髪が生えてこなくなった女性の写真もありました。
怖い。
怖い怖いと思いながら寝たら、頭皮が荒れて髪が抜けてしまう、という夢を見て、
「これからは、私もケニア人みたいにウィッグ生活か…」と、夢の中で悲しい気分になりました。
起きて、自分の髪があってほっとしました。
でも頭皮には相変わらずかさぶたが。
あんなに痛い思いをしたのに、途中で私が流してくれー!って言ってしまったせいで、
毛先は相変わらずうねうねしています。
あーあ。
もうリラクサーはいいや!
それか、本当に毛先だけで頭皮には絶対付かないようにしてもらうか。
髪にちなんで。
今日エレベーターの中で「Are you Japanese?」と聞かれました。
ケニアにいて、まず言われるのは「Chinese」、もしくは「Korean」あとは「Filipino」とか。どれも違うと答えた後でやっと「Japanese」が出てくることも。
なので、「Yes」と答えた後で、何で私が日本人だとわかったのか聞いてみました。
すると「君は髪が長いから、日本人でしょ?中国人はみんなもっと短い髪をしているでしょ?」と言われました。
今の私の髪は肩にかかるくらい。
「私のイメージだと、中国人の方が髪が長い人が多い気がするけどなー」と言ったら、
「そんなことない!日本人の方が長い人が多いよ」と言われました。
よくわからないけど、でもやっぱり一発目でちゃんと日本人だと言われると嬉しかったです。
リラクサーをしてもらいながら、
学生時代に旅をしていたイスラエルのサロンでパーマをかけたとき、
パーマ液が頭から背中にどんどん流れていたことを思い出しました。
あー日本の美容院に行きたい!